設定集

裏界、それはもう一つの世界。
現界と重なるように存在する世界には神、妖、霊魂などと言われる者たちが住む。
本来交わることのない二つの世界をつなぐのは言葉。言葉は強力な力を持つ。
現界と裏界をつなぐほどに。
彼が門を開いた。
物語が始まる。
戯れに少しの大義を添えて、その向こうから現れるのは…

用語集

じゅぼく

呪墨

現世から裏界へ干渉し、術を行使したり門を作り裏界のものを呼び出すために使われるもの。
特殊な筆やその役割を担うもので宙をなぞると、黒い中に個々の色が光るものが混じりあったような墨で文字や絵がかける。
文字を書く場合、裏界に定められた術式に干渉しそれを扱うことができる。
絵を描く場合、裏界と繋がる門を開き裏界のものを呼び出すことができる。
呪墨は容量があり、時間経過でそれが溜まっていく。容量には個人差があり、呪墨を全く持てない身体の者もいる。

りかい

裏界

現界と重なり存在するもう一つの世界。
神や妖、霊魂などの居る世界で、現代よりも古風で和に溢れた世界が広がっている。
そのため住人も和の服装に身を包んでいるものが多く、現代的な服装の者はほとんどいないはず。
裏界にも多くの思想を持つものがおり、理に従って穏やかに過ごす者や無害な者、逆に暴力に生きる者や大きな野望を抱える者も。
七ツ尾の呪墨師は安全で制御可能な住人を式神として現世に呼ぶ。ただし呪墨師の中にはその力を悪行に利用するものや、裏界の邪な者を呼び出すために利用する者もいる。
魂となった死人もこの裏界へと向かうとされているが、その魂がよほど強くない限りは無害で意思も失ったミタマになる。

しきがみ

式神

呪墨で描き門を作ることで呼び出される裏界の住人。
その力が小さいほど呪墨師に従順で例え野蛮なものでもその意思に従い傀儡となるが、強力な者は呪墨師に実力がない限り呼び出すことも難しく、呼び出せたとしても制御下を外れ現界に現す身体をもった危険な存在となる。
野良となってしまった式神はたとえミタマであろうと七ツ尾では駆除対象となっている。(ミタマ程度であれば討伐ではなく術で裏界に帰すなどで対応できる場合がある)
式神を呼ぶ際は依代が必要。依代は一般的に形代のような物を使われるが、自身に卸す呪墨師もいるのだとか。他人へ卸すものに成功したのはたった一人しか居ない。
式神が現界に在るためには依代が必須。依代を失ってもとどまることはできるが、だんだんミタマのような存在へと弱体化していく(裏界に戻れば身体も戻る)。現界に実体でとどまる者もいれば幽体でいる者も、そこは任意。実体をくっきりと持てる式神は持つ呪墨量が多い証拠。

式神を呼び出した呪墨師はその式神をある程度命令に従わせる権利とすぐに自分のもとへ呼び寄せることのできる権利を持つ。それは現界の理のようなものなのだが、呪墨師の実力が式神に劣る場合断れてしまう

余りにも強力で一度呼び出された際に自由を手にし、この世を支配しようとした七式神(シチシキジン)は七つ尾によって全国各地に封印されている。

じゅつ

術は摩訶不思議な現象を裏界に干渉することで現界に引き起こすもの。
魔術や呪術、錬金術などと他方では呼ばれるかもしれない。
呪墨師が自由に作り出し扱うことができるわけではなく、裏界そのものに術が刻み込まれている。
それを文字として現界に書くことによって起動するものである。

じゅぼくし

呪墨師

呪墨を扱い、裏界に関わる事柄を現界で扱う者たち。
基本的に七ツ尾に所属し、大きな騒ぎにならない程度の日常の問題を解決する仕事を行っている。お祓いや祭事など神職に近いことだが裏界専門家のようなイメージ。
しかし中には呪墨や裏界の力を悪行に使い問題を引き起こす者もいる。七ツ尾の大きな仕事は彼らや裏界のせいで引き起こされる災に対処することである。

七ツ尾では呪墨師にその功績や経験、実力などをわかりやすくするための階級を設けている。
上級:七ツ尾を先導し多くの問題を解決できる力を持つ優秀な者たち。自身の任務の他、大きな作戦では総合的な指揮を行ったり、普段の任務では七ツ尾支部を管理する役職についていたりなど、呪墨師の最前線に生きる者たち。
中級:一番母数が多く、見習い上がりからベテランまで層が厚い。一般的な呪墨師は大抵この階級。上級に上がるためには2名以上の上級もしくは特別階級の者に推薦されたうえで試験に合格しなければならない。
下級:呪墨師見習い。中級以上に師事する者を持つのが当たり前で、その呪墨師に認められたうえで試験に合格すれば中級へと上がれる。

特別階級:本来の階級に収まらず、非常な実力を持つ者。特級などともいわれるが、公式な階級としてはそれぞれに長ったらしい称号が与えられる。

ななつお

七ツ尾

呪墨師を管理する組織。
平安の時に現界に現れ大きな災害をもたらした七式神に対処するために発足され、今も尚その封印を管理しながら裏界の影響で起こる災いから現界を護っている。
本部は京都に、支部が札幌、仙台、東京、静岡、徳島、福岡に存在する。そのほかにも各都市に拠点が点在する。

やくにん

厄人

七ツ尾が最も警戒するたった二人の呪墨師。
七ツ尾発足の理由でもある七式神を呼び込んだとされておりその実力は底知れない。何よりその時代から生きている人間である。
彼らを罰することができれば七ツ尾に平穏が訪れることだろう。

補足

・舞台は現代日本です。
・呪墨適正がない場合に身体能力が向上するなどの効力はありません。ただの不適合者です。
・基本的に特殊な筆を使い呪墨を扱いますが、流派や個人でそのスタイルは様々で、人によっては刀の先や、もともと紙や形代に書いたものを使う場合があると思われます。
・呪墨師が下級から中級に上がる試験の第一条件に閉が使えること。これがなくては七ツ尾の呪墨師として務まらない。